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  アニマルライフ
      アニマル店長のおもしろ小話


タヌキの恩返し


数年前に大きなワニガメの納入に埼玉まで出かけました。
無事ワニガメさんを大型水槽に納めてお客様も大満足でした。

一安心した帰り道、畑の中の幹線道路を気持ちよく走ってました。
すると道の中央に黒い獣が倒れてます。
結構な速度が出ていたのにもかかわらず、私はその獣と目が合ったような気がしました。
その日はちょうど父が末期ガンと宣告された日で、私は瀕死の獣を捨てて置けなかったのかもしれません。

車を止めて近づいてみるとやはりタヌキです。
車にひかれて腰から下が血にまみれており、あまり動きもしません。
最悪死んだら知り合いの動物火葬場に持っていってあげようと思い、
ワニガメを入れていた空の容器にタヌキさんを積んで帰りました。
別の車から降りてわざわざ手伝ってくれた親切な人もいました。

お店に帰って大きめのケージに入れました。
タヌキさんは目が開いているものの、ぐったりしてます。
水や食べ物にも手を付けません。

翌日、親切な獣医さんに連れて行きました。
レントゲンを撮ると腰の骨が折れており、内臓にもかなりのダメージがあるようです。
とりあえず抗生物質などの注射を打ってもらいましたが
先生もこの状態だと、持っても1-2日だろうと言いました。

仕方ないのでタヌキをまたお店に連れて帰り、リンゴとドッグフードを入れておきました。
タヌキさんは1日目はグッタリしてました。
しかし2日目には少し動くようになり、なんとリンゴもドッグフードも完食しました。

その後もあげればなんでも食べるようになり、その結果のメチャクチャ臭いウンコをします。
タヌキのウンコってハンパじゃない臭さです。とても室内ペットには無理ですね(笑)

タヌキマンはちゃんと歩けないくせに元気も出てきました。
小型犬のケージの鉄柵もガリガリ噛んでへし曲げてしまいました。
元気なタヌキマンは、ついにはスタッフの手も噛んで血だらけにしてくれました。

こんなに元気なタヌキマンはもう野生に帰ってもらう他はありません。
車の後ろにタヌキを乗せて、彼の故郷の埼玉の森に向かいました。

タヌキマンがまた交通事故に合っては困ります。
車を降りてタヌキを入れたプラスチックケースをスタッフとかついで、川沿いの道を歩いて森の方に向かいました。
途中で会った柴犬を連れたおじいさんが、不審そうに大きなプラスチックケースを見てました。

森の入り口に到着してタヌキを放すと、タヌキマンはこちらを振り返り、振り返り
足をひきずりながら森の中に帰っていきました。
足をひきずって頭がピョコピョコ上下するのが、ぼくらにおじぎをしているようにも見えました。

雑食のタヌキは捕食するというより、食べ物をあさるタイプなので
彼は少々足が不自由でも生きていけるでしょう。

帰りの川沿いの道で行きにすれ違った柴犬のお散歩おじいさんにまた会いました。
おじいさんは行きと違って空っぽになった大きなプラスチックケースを見て
「あんたら、ここでなにを捨てたんだな?」と聞いてきます。

おじいさんが不審に思うのも当然です。
「これこれしかじか」と今回のタヌキ話を説明しました。

おじいさんは感心して
「それはあんたら奇特な方たちだな〜。最近は人の死体を捨てたりする奴もいるからな〜」
と笑ってました。

タヌキマンのメチャ臭いウンコの世話からも解放されて、やれやれと思っていました。

すると翌日からうちの動物達が次々と売れ始めました。
犬もフェレットもカメもどんどん売れてしまいます。
驚異のスピードの売れ行きに私達は

「これは絶対タヌキマンの恩返しだ」

と顔を合わせて笑うのでした。

「タヌキマン、車には気を付けるのだぞ」

動物を扱う商売をしていると動物を大事にすることによって起きる不思議な現象を色々体験してます。



元気になったタヌキマン(笑)




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