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 アニマルライフ
    アニマル店長のおもしろ小話


商社マン時代には宇宙開発の実験に米国NASAだけでなく、
オーストラリアのウーメラ砂漠基地に何度も行っていた。
豪州の砂漠の空軍基地はとても遠い。
成田からシドニーまで12時間。シドニーからアデレイドまで4時間。
そしてアデレイドからレンタカーで600km走って、やっとウーメラ基地にたどり着く。

飛行機に長時間乗った後の長距離ドライブは眠たくなって危険。
アデレイドからウーメラ基地までの道路は、どこまでも地平線に続く一本道。
まわりは黄色い荒野で景色は全く変わらない。
夜になると夜行性のカンガルーが車にぶつかってくるのも恐ろしい。
長時間のドライブには眠気覚ましのガムと音楽が不可欠だった。

最初のうちは早く着きたいので180kmで飛ばしたりしたが荒野の中なので速度を感じない。
少々スピード出しても600キロはなかなか進まない(笑)
スピード出すと余計疲れるので、
結局は現地の人と同じ100kmで走るのが効率的だった。

何回目かに基地に行った際にかなり疲れて運転していた。
途中で前の車が給油のため急に急停止した。
私も止まれば良かったのだが、スピードが出てるので止まるのも面倒だった。
そして広い道路の左から抜こうとした。

しかし道路の左肩には魔の砂地獄が待っていた。
速度は80-100kmくらいだったと思う。
あっという間に左輪を砂に取られ、回復の努力むなしくザザザーと崖から落ちてしまった。
まあ崖と言っても5-6mくらいなのだが、ドンドン落ちて羊用のフェンスにこすって車は止まった。

羊さんたちがびっくりして「メー!」と鳴いていた。
すぐ横に巨岩があったのでこれにぶつかっていたら危なかったなと思った。
その付近は映画マッドマックスのロケ地でもあり、まさにマッドマックスの暴走を思い出した次第。
落下の衝撃は大きかったが、シートベルトのおかげで私はまったく無傷だった。
しかし一緒に同乗していた人は、怪我はないもののショックで放心状態。

私は子供の頃から危ない事故や空手の護身術などで修羅場はくぐってるので動揺は無い。

車はひどく壊れていて試しにエンジンをかけようにもかからない。
仕方がないのでスタンドの人にレッカーを呼んでもらった。
結局車はレッカーで引き上げられて廃車になってしまった。
それでも私達は基地まで行かねばならない。

近くの村でタクシーができる人を探すことにした。
600kmの道のりをすでに半分来ていたが、後300kmは残ってる。
タクシー代は高いだろうなと思って交渉したら、なんと1kmで1ドル。
300km走ってたった300ドル。

当時300豪州ドルは日本円で約24000円だった。
同じ300kmの名古屋-東京間が24000円とはありえない(笑)
同乗者の方には申し訳ないことをしたが、外国での運転はよく注意する必要があることがわかったよ。

日本でも他人や自分を大きく傷付ける危険があるのは自動車だけだろう。
スピードを出さなければ万一事故っても衝撃は小さい。
今では「ゆっくり走ってターンとバックは十分注意」をモットーに運転している。



オーストラリアのど真ん中のアウトバックと呼ばれる砂漠地帯。
どこまでも地平線が広がります。





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