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アニマル劇場
 アニマル店長のおもしろ小話


商社の頃に航空科学技術庁のスペースシャトルPJでオーストラリアに数ヶ月滞在した。
実験場はオーストラリア空軍のあるウーメラ実験場。
メルギブソン主演のカーアクション映画のマッドマックスも撮影した、オーストラリアのど真ん中の砂漠地帯。
アデレイドから豪州の荒野を600キロ走ってやっと到着する。
道中では車に飛び込んでくるカンガルーに注意して運転する。

地平線まで広がる広大な砂漠なので、シャトルが失敗して墜落しても驚くのは羊くらいのものである。
ウーメラはレストランが一つ、スーパーも一つしかない小さな村。
この村に日本を代表するメーカーさんたちが100名くらい集まり、朝9時から夕方5時まで実験を行う。

仕事以外は気が遠くなるほど暇で、娯楽は全くない。
一番近い街までも200キロはあり、まさに陸の孤島。
一番長い人では6ヶ月も滞在し「模範囚にしていると早く帰れる」なんてジョークも流行ったくらい(笑)
軍の施設のバーベル上げとランニングだけが楽しみだった。

村に一つしかないスーパーの一角に小さな本屋があった。
その本屋には高校生のアルバイトのスージーちゃんが店番をしていた。
その本屋にはプレイボーイなどの雑誌が置いてあった。

男ばかり100人も集まった実験場には色気は全くない。
私は雑誌を普通に買っていたのだが、一流企業の課長さんたちは雑誌を買う勇気がないらしい。

「イザキ君、大変申し訳ないのだが、雑誌を一冊買ってきてくれないか。
私はあの雑誌がすごく欲しい。でもかわいいスージーの前ではとても恥ずかしくて買えない。
雑誌は10ドルだが、20ドル出すから引き受けて欲しい」と懇願された。

軽い気持ちで引き受けたのだが、噂が噂を呼び、メーカーさんの人たちがみんな私に頼み始めた。

最初は本屋に3-4冊しか置いてなかったプレイボーイはいつのまにか他の種類も増えて10冊以上になっていた。
そのうち雑誌が入荷する月曜日にはスージーは私を見かけると
「ミスターイザキ ! ニューマガジンが入ったよー!」と超笑顔で呼びかけるようになった。

最終的には毎回20冊近く雑誌を買い込む私をいつもスージーは笑顔で迎えてくれた(お客さんだからね)
実験場のマガジンブローカー業は小遣い稼ぎにはなったが、
スージーの記憶にはヘンタイ日本人として残るのだろうなー、とちょっと悲しく思った次第(笑)



みんなとっても良い笑顔




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