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  アニマルライフ
      アニマル店長のおもしろ小話


-25度

宇宙開発のPJ機器の輸送は通常の輸送と違い厳しい条件が課せられます。
梱包ケースには震度計と温度計が設置されて輸送中の状況が記録されます。
機械類は関東、名古屋、関西のメーカーさんからアメリカ、豪州に輸送されます。

その工程はすべて記録に残すことが要求され、私も荷物に同行して写真撮影に行きました。
荷物と一緒に飛行機や船やトラックに乗ったのは輸出入の際の現場をすべて勉強できて今も役に立ってます。

日本からの宇宙機器をニューヨーク経由、フロリダに送ったことがありました。
時期は一月の半ば、積替時間は夜の一時です。
我々は宇宙開発事業団さんからニューヨークケネディ空港での荷物の積替時の写真を撮ることを要求されました。

ご存知の方もおられると思いますがNYの冬は厳しく、それも海に近いケネディ空港は体感温度マイナス20度を超えます。
難しいことを要求されてしまいましたがそこは仕事なので日本航空(JAL)さんと打ち合わせました。

その夜はJALの方とお食事して夜中の撮影時間に合わせて不謹慎なようですがお酒を飲みました。
しかしマイナス25度に耐えるにはお酒を飲んで体を暖める必要があります。

お酒のおかげで体も暖まり、いざJALさんの車で滑走路から飛行機にアプローチしました。
車から降りるとすごい冷たさの風が吹き付けます。
ズボンを二枚はいてダウンジャケットを着ていても恐ろしい寒さで酔いは一瞬で吹き飛びました。

飛行機は既に到着してましたが荷卸はまだ始まっておらず、
二人は少しだけ暖かい飛行機のエンジンの下で待機しました。
荷卸が始まると作業員たちは全員目出帽をかぶってます。
「これじゃテロリストが混じっても全然わからないな」と思いました(笑)

飛行機のハッチから荷物が出てくるたびに写真を撮りに行きます。
冬の飛行場の滑走路でウロウロしているとダイハードのブルース・ウイルスを思い出しました。
30分もたたないうちに足や手の先が痛くなってきます。

JALの人は「イザキさん!寒すぎてだめだ、もう限界です、帰りましょう」
と弱音を吐いてます。
「まだまだ!メインの機材が出てないでしょ」と私にさとされ
JALの人はオアシス状態のエンジンの下で泣き顔をしてました。

やっとメインの機材の積み下ろしが終って写真を撮ったら午前2時を回ってました。
作業員に気温を聞くとやはりマイナス25度でした。

ロシア担当の会社の友達はロシア北部の港の作業はマイナス30度だったと言ってましたが
マイナス25度も結構厳しかったです。
その後JALの人ともう一度打ち上げのお酒を飲んで体を暖め、あらためて暖房のありがたさを知りました。


フロリダのケネディスペースセンターに出張した時の写真です。
オーランドに到着して私はすぐにハーレーをレンタルしました。
現地輸送担当の写真のポールは
「イザキ本気か?ハーレーでケネディに乗り付けたら日本の科学技術庁の人達が腰抜かすぞ」
と笑ってました。





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